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旅行業者が行う集客への工夫とは

JTBによると、今年の夏休み期間(7月15日〜8月31日)の国内旅行者数は前年同期比0.9%減の7350万人と4年ぶりの前年割れになる見通し。「ガソリン代などの値上げで消費者の節約ムードが旅行にも波及」「燃料高で割高な海外からのシフトはあるが、大きなものではない」など物価高の影響が及ぶ。旅行会社や各観光地では間際予約の伸びに期待する。 旅行会社  「食品・日用雑貨などの生活用品やガソリン代が相次いで値上がりし、消費者心理に不透明感が出てきている」とJTB。そうした中で、開園25周年を迎えた東京ディズニーリゾート(TDR)に注目。7月8日に東京ディズニーランドホテルがグランドオープンしたこともあり、「首都圏地区からの日帰り客はもとより、各地域から鉄道や高速バスを利用して多くの観光客が訪れそう」という。  KNTの7〜9月は、国内企画旅行商品「メイト」が人員ベースで対前年比3%減だが、海外リゾートの代替として沖縄や「篤姫」で注目の九州が好調。東京方面商品もTDR効果で同11%増と伸びている。ガソリン付き宿泊プランも好調。しかし「海外から国内へのシフトが見られるものの海外の減少分を補うほどの勢いはない」という。岩手・宮城内陸地震の影響で、北東北は同約70%と苦戦している。  「7〜9月の国内企画商品の販売額は前年比11.2%増」というのは日本旅行。特に、TDRを含めた首都圏は25.7%増、JRによる山口デスティネーションキャンペーンが展開されている中四国が12.8%増と伸びている。「沖縄も15.7%増で、海外リゾートからファミリー層が移行してきている」。  阪急交通社の9日現在の予約状況(人数ベース)は前年比5%減だが「東京発の近畿、九州発の沖縄や関東(TDR)ツアーが好調」。東京発では「往復グリーン車で行く長良川の鵜飼いと京都・貴船川床料理涼景めぐりの旅3日間」が売れ筋。東北は地震の影響で「予約数が伸び悩んでいる」。  「予約状況はほぼ前年並み」というのはトップツアー。近場の宿泊プランではTDR絡み、箱根方面の宿泊が増えている。「海外のリゾートで夏休みを計画していたお客さまが、沖縄など国内のリゾートに移っている」のが今年の傾向。また「マイカー客にはETC割引と連動した宿泊プランが人気」と言う。  JALツアーズの8月1〜31日の予約状況は前年比10%増。沖縄、北海道、関東方面が好調だ。 観光・温泉地  観光地、温泉地には、ガソリン価格の高騰でマイカー客の減少、諸物価の値上がりに伴う旅行意欲の減退などを心配する声が多い。ただ、旅行計画の間際化が進む中、これからの予約の伸びに期待する所も多い。  「ガソリンの高騰で消費者の財布のひもはさらに固くなるのでは。4月以降、宿泊客数は低迷している。夏季は間際に予約が殺到することが多い。直前の予約増加を期待している」(群馬県・草津温泉旅館協同組合)。  「お盆前後の時期が埋まり始めているが、出足好調とは言い難い。夏は家族客が多く、当地の約6割はマイカーの利用客。当然、ガソリン代の上昇は影響するだろう。物価高はマスコミなどで多く報じられ、それにあおられて、消費も冷え込んでいるのでは」(長野県・諏訪湖温泉旅館組合)。  こうした反応が代表的で、7〜8月の予約状況では、「平日の出足が悪いようだ。近郊からの日帰り客の動きも鈍っている」(山形県・蔵王温泉観光協会)、「例年より少し悪いくらいだが、高速道路などを利用する首都圏からのマイカー客が減っている感触」(福島県・いわき湯本温泉旅館協同組合)などの声も。  ガソリン代の高騰には、手の打ちようがないが、「宿泊施設単位でガソリン代還元サービスを行う動きがある」(群馬県・万座温泉観光協会)、「特典付きのガソリン代還元キャンペーンを打ち出す宿もある。マイカー利用者が目に見えて減っているが、鉄道を利用した客は増え始めており、挽回に期待している」(山梨県・石和温泉旅館協同組合)。  今月5日に全線開通した東海北陸自動車の周辺観光地でも旅行者の動向に気をもむ。「7月19日〜21日の3連休は多くの人出があったが、開通効果はまだ見えない。観光ルートの案内などに工夫を凝らし集客したい」(岐阜県・奥飛騨温泉郷観光協会)、「自動車道の開通、加賀四湯博のイベントなど情報発信に努めている。関西とを結ぶ直行バスも今年は初めて夏に運行する。鉄道などと合わせて、旅行者の足を揃えることで誘客につなげたい」(石川県・山代温泉旅館協同組合)。  今月から「デスティネーション・キャンペーン(DC)」が始まったのは山口県。「7、8月の宿泊予約は今のところかんばしくない。山口DCのPR効果の浸透に期待したい」(山口県・湯田温泉旅館協同組合)。  鹿児島県ではNHK大河ドラマ『篤姫』の人気が追い風になっている。「4月から始めた『篤姫ガイド』の利用件数もすでに約5万件に達する。7、8月はもちろん10月にも予約が入っている。ガソリン代高騰の影響はあると思うが、海外旅行から国内旅行へのシフトに期待したい」(鹿児島県・指宿市観光協会)。  国内遠隔地として人気の北海道からは、「7、8月の予約はほぼ平年並み。特にガソリン高騰の影響は感じない」(川湯温泉観光案内所)、「夏季は例年並みの予約状況。お盆も満館の所が出ている」(ウトロ観光案内所)などの反応。  東北方面では、岩手・宮城内陸地震の風評被害が懸念される。「7月が60〜70%、8月が50〜70%の予約状況。例年より少し低調と感じているが、風評などの影響はない」(岩手県・鶯宿温泉観光協会)という所もあるが、宿泊キャンセルが岩手、宮城、秋田で多発。花巻温泉(岩手県)、鳴子温泉(宮城県)では、8月以降の予約が半数程度にとどまる施設も多く、夏以降への影響も心配される。  旅先の観光地周辺で集合、解散する「日帰り現地ツアー」が東北に広まってきた。2007年の旅行業法の規制緩和で、地元の旅行会社や観光協会がツアーに参入できるようになったためだ。名所旧跡がメーンの従来型旅行に対し、隠れた名所探訪や住民のガイド解説付きなど現地ならではの魅力を盛り込んだ「小さな旅」がセールスポイントになっている。  盛岡観光コンベンション協会(盛岡市)は4―10月、市内を巡るバスツアー「盛旬(せいしゅん)バスプラン」を70回開催する。発案した畑山茂観光コンベンション部長(59)は「最高の盛岡の旬を楽しんでほしいと命名した」と売り込む。  春は盛岡地裁にある石割桜、石川啄木記念館などの「定番」に米内浄水場のシダレザクラ、地元産クレソン使用のラーメン昼食を加える。料金は大人5800円、子ども3500円。夏以降も一般の観光客は行きにくい朝市や酒蔵見学を用意する。  福島市のNPO「土湯温泉観光まちづくり協議会」は07年、地元ツアーをスタートさせた。「2泊3日の中日に、宿泊客に喜んでもらおうというのがきっかけ」と担当の加藤成良さん(49)。3000円前後の川魚のつかみ捕りや雪ぐつ体験が人気という。  会津鉄道で東京と結ばれる福島県南会津町。南会津観光公社は、湿原や名所をタクシーで効率よく回れる割安な半日ツアーを実施している。料金は2000―1万円台だ。  地元組は地域を知り尽くす強みとアイデアで魅力を発掘。大都市圏から訪れる旅行客の日程への組み合わせを狙うが、受けるかどうかは企画力が勝負になっている。  山形県遊佐町のNPO「遊佐鳥海観光協会」は子どもの海山体験などで実績がある。帯谷隆専務理事(52)は「大都市圏からは交通費負担が大きい。ありきたりの自然や農村体験では人が来ない」と言う。鳥海山トレッキングや名水巡りなどのガイド育成を進める。  仙台市の観光コンサルタント庄子公喜さん(59)は「地元の魅力を磨く機会としてはいいが、地元の人が良いと思っても、観光客が求めるものを理解して売り込まなければ集客には結び付かない」と話している。 【旅行業法の規制緩和】  宿泊や移動を伴う旅行の企画・募集は登録業者しかできない。国内旅行の場合、従来は有資格者の選任と営業保証金1100万円、基準資産700万円が必要だったが、業者所在地と隣接市町村で完結する旅行に限り、それぞれ300万円に引き下げられた。





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