アバットメントは粘膜の厚みに合わせ、発音、審美的影響を考慮した上で適正な長さのものを選択します。連結手術が終ると、確認のためにレントゲン写真を撮ります。
このとき、アバットメントが精確に連結されていないと、上部構造が壊れたり、インプラントが抜けることもあるので慎重な診査が必要です。インプラントの動揺度を診査し、しっかり骨についたかどうかを確認します。

デンタルファインテスター(モビリティーチェッカー)を使う場合もあります。連結が終わると傷口を縫合します。
そして1週間程度で抜糸し、さらに1週間後、補綴治療に移ります。一概には言えませんが、顎の骨に埋め込んだインプラント自体を材質的に考えると半永久的なものです。
1965年に世界で最初にオッセオインテグレーテッド・インプラントの治療を受けた人は、30年以上にわたって使用しているという事実がこれを証明しています。しかし、どんなに優れたものでも、大事なことは使い方です。
インプラントも日々の手入れが悪ければ、歯槽膿漏に似たインプラント歯周炎を起こすこともありますし、きちんと定期検診をしていないと、オッセオインテグレーションが悪くなり、抜けてしまうこともあります。インプラントの上部構造であるインプラントブリッジやインプラント義歯は短期的には問題ありませんが、噛む力が強い人などは折れたり取れたりする場合もあります。
これは簡単に修理できます。また長期的には噛む面が磨リ減って来る場合もありますが、こちらも修理できます。
ともあれ、寿命は手入れ次第ということでしょう。治療後の口腔衛生管理に十分に気をつけてください。
Aさんがインプラント治療を開始して、はや8か月。ようやくインプラントの上に人工歯が入ることになった。
長かった。特に、半年に及んだ安定期間は。
多少の不自由さと、新しい歯への期待と・・・
これってまるで妊娠中のようだったと、Aさんは振り返る。おなかのなかで子どもが育つように、私の顎の骨に埋め込まれたインプラントの周りに新しい骨ができる。
そして、臨月を迎えて子どもが誕生するように、骨と結合したインプラントの上に、私の新しい歯それは天然の歯ではないけれど、待ちに待った私の「第3の歯」なのだ。そう思うと、長かった安定期間が愛しくさえ感じる。

どんな歯が入るのかしら。鏡の前でイメージしてみると、思わず笑みがこぼれる。
どんな歯であれ、今度は大切にしなくてはなりません。残りの人生の大切な伴侶だもの。
治療中、何度も歯磨きのトレーニングもした。最初は、この年になって今さら歯磨きの方法を習うなんて、と思いもしたが、8か月たった今、歯磨きの大切さを身にしみて感じるようになった。
そう、自分の健康を管理するのは自分だから、新しい歯ができたら、きちんとメンテナンスできる自分でなければ。自分の体、自分の人生。
子育ても一段落した今、Aさんはインプラントと共に新しい人生の季節を迎えるような気がしている。一次手術、二次手術も終り、インプラント上に上部構造を作成する補綴処置の段階に入りました。
ここで再度、治療計画を検討します。これは埋入したインプラントが、万が一、骨と結合しなかった場合を考えてのことです。
綿密な計画を立てて一次手術に臨んでも、埋め込まれた骨の状態や全身状態によって結合しないことも起こり得るのです。当然、そのリスクも考慮した上で一次手術を行っていますが、二次手術の時点で骨としっかり結合していなかった場合は、上部構造の設計変更を余儀なくされることもあります。

インプーフントの上部構造は取り外しのできそのため補綴処置に入る前に必ず口内法X線写真で、すべてのアバットメントが正しく連結されているかどうか、発音、審美的影響などを考慮した上で、適正な長さのアバットメントが使用されているかどうか、フィクスチャーとアバットメントの接触面に隙間がないかをもう一度確認し、必要があれば他のアバットメントと交換します。その上で、再度、どんな歯を入れたいかなど患者さんの希望を伺い、それを考慮して補綴物の設計について最終決定をします。
また、人工歯の色調と形態は人工歯の見本のシェイドガイドで選択します。残っている天然の歯が特徴的な方には、人工歯も天然歯と同じようにデザインします。
上部構造作成には、まず印象採得といって型取りから始まりますが、補綴処置の手順としては、従来のブリッジや金属のフレームを使った義歯と大差はありません。ただ、インプラントには歯根膜がありませんので、天然歯の補綴以上の精度が要求されます。
天然歯の場合は歯と骨の間に歯根膜があり、クッションのような役目を果たしています。そのため天然歯は100ミクロン(0.1ミリ)程度の可動性を有しています。
インプラントには歯根膜はありませんので、可動性はなく、一度埋め込まれたらほとんど動きません。そこで、インプラントの補綴処置は、天然歯との可動性の誤差を考慮した上で行なわなくてはならないのです。
そのため、より精確な作業が必要になります。型取りから人工歯製作までは、次のように進められます。
固定式のものがあります。取り外−しができるものにも、歯科医師が取外す「術者可撤式」と、入れ歯のように患者さん自身が取り外しできる「患者可撤式」上下の顎の位置関係を調べて噛み合わせを決定します。

垂直岐合時の上下顎の水平位置関係、頭蓋に対する上顎の位置関係、咳合平面角度と高さを決定します。まったく歯がない人の場合は咳合床を作製した上で行います。
それぞれリラックスしたときの噛み合わせの位置を持っています。その位置から理想的な噛み合わせを求めていきます。
頬の厚み、顔の眉毛や鼻、目尻、唇の位置から、横顔の唇がきれいに見えるリップラインを把握した上で噛み合わせを決定します。【仮床試適】
咳合採得後、作業用模型を咳合器に付け、上部構造(義歯)の型をロウで作ってみます。

【メタルフレーム試適】
作業用模型上で作った上部構造の骨格となる金属の構造体を、口の中に合わせてみます。
口の中の状態を再現して、上部構造作成に用いる作業用模型を作製するための型取りをいます。
より正確な型取りをするために印象用コーピングを使用して行います。
この時、発音や審美面についても確認します。
上顎の補綴物の場合、補綴物と粘膜の間で空気が漏れると発音に問題が生じる恐れがあるので、特に注意して行います。

【仮着(人工歯の仮装着)】
できあがった人工歯を一度、口腔内に仮止めします。
インプラントの上部構造には取り外しができるもの(可撤式)とできないものがあります。

上部構造をネジ止めする場合とセメントで固定する場合の違いですが、セメント固定の場合はその段階で付けますが、その前に仮装着し、しばらく試用してみます。
違和感がないものもあります。
メタルフレームの適合がよければ、その位置でロウ義歯を固定します。長い治療が終り、インプラントの上に人工歯も固定されました。
これですべて終了と思いがちですが、本当はこれから先が重要なのです。どんなに優れた精密な機器でも、使い方次第で長持ちもしますし、壊れもします。
それはインプラントも同じです。


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